画像生成AIローカルのGPU比較【2026】VRAMと予算で選ぶ
画像生成AIをローカルで動かすときに大事なのは、GPUのVRAM(ビデオメモリ)の量です。公式の数字では、Stable Diffusion 3.5 Mediumは9.9GB、FLUX.2 [klein] 4Bはおよそ13GBのVRAMを使います。これから買うなら、VRAM 16GBのGPUを選ぶと、多くのモデルを無理なく動かせます。GPUが無いPCやMacなら、無料のツールのComfyUIを手持ちの環境で試すか、クラウドの無料枠から始めましょう。
あなたに合うのはどれ?
今のPCとやりたいことで、最初に選ぶものが決まります。下の表で自分に近い行を探してください。
| 状況 | まず選ぶもの | 最初に開くページ |
|---|---|---|
| 今のPCで無料で試したい(NVIDIAのGPUあり) | ComfyUI Desktop | ComfyUI 動作環境 |
| GPUが無い・ノートPC・まず雰囲気を見たい | Comfy Cloudの無料枠 | Comfy Cloud 料金 |
| M1以降のMac | ComfyUI(Apple Silicon対応) | ComfyUI 動作環境 |
| これからGPUを買う・予算を抑えたい | VRAM 16GBのGPU | この記事の「GPUの価格の目安」 |
| 仕事で毎日使う・大きなFLUXモデルを使いたい | VRAM 24GB以上のGPUか、クラウドの有料プラン | FLUX.1 Kontextの最適化(NVIDIA) |
理由をひとことずつ書きます。手持ちのGPUで動くかどうかは、無料のComfyUIを入れれば確かめられます。GPUが無いなら、数万円以上の買い物の前にクラウドで「自分は本当に毎日使うか」を見たほうが損をしません。16GBをすすめるのは、後で出てくる公式のVRAM数値の多くが12〜13GB前後だからです。
ローカルとクラウドは何が違う?
ローカルは「最初にGPU代がかかり、あとは電気代だけで回数の制限がない」形です。クラウドは「最初の費用はかからず、使った分か月額を払う」形。違いは次の表のとおりです。
| 比べる点 | ローカル(自分のPC) | クラウド(例: Comfy Cloud) |
|---|---|---|
| 最初の費用 | GPU・PCの購入代 | 0円から(無料枠あり) |
| 毎月の費用 | 電気代 | Standardで月$20から(料金・2026年10月時点・最新は公式で確認) |
| 生成の回数 | 制限なし | クレジットの範囲まで |
| 使えるモデル | 自分で入れたもの全部 | 自作・外部モデルの取り込みはCreator以上(料金) |
| データの置き場所 | 自分のPCの中 | 運営会社のサーバー |
| 手間 | 導入・更新・トラブル対応を自分で | ほぼ不要 |
ローカルを選ぶ人がよく挙げる理由は、回数を気にせず何百枚も試せることと、作った画像や下絵が外に出ないことです。
ただし、モデルを自由に入れられることと、作った画像を自由に使えることは別の話です。たとえばStable Diffusion 3.5は「Stability AI Community License」で、年間の売上が100万ドル未満の個人・組織なら無料で商用利用できます(Stability AI)。モデルごとにライセンスが違うので、副業や仕事で使う前に画像生成AI商用利用、規約のどこを確認するかで確認する所を見ておくと安心です。
必要なVRAMはモデルでどれくらい違う?
目安は、古いモデルなら8GB、2024年以降の新しいモデルなら12〜16GBです。各社が公開している数字を並べると、次のようになります。
| モデル | 公式の数字 | 出典 |
|---|---|---|
| Stable Diffusion 1.5 / SDXL(AUTOMATIC1111で使う場合) | 4GBのGPUに対応(2GBで動いた報告もあり) | AUTOMATIC1111 GitHub |
| Stable Diffusion 3.5 Medium(25億パラメータ) | 9.9GB(テキストエンコーダーは別) | Stability AI |
| FLUX.2 [klein] 4B | 約13GB。RTX 3090 / 4070以上 | Hugging Face |
| FLUX.1 Kontext [dev] | 元は24GB → FP8で12GB(RTX 40シリーズ)、FP4で7GB(RTX 50シリーズ) | NVIDIA |
Stability AIは、Mediumについて次のように書いています。
「This model only requires 9.9 GB of VRAM (excluding text encoders) to unlock its full performance」(Stability AI)
訳すと「このモデルの性能を出し切るのに必要なVRAMは9.9GBだけ(テキストエンコーダーを除く)」です。気をつけたいのは「テキストエンコーダーを除く」の部分。プロンプトを読み取る部品の分は、この数字に入っていません。8GBのGPUでぎりぎり動くかどうかではなく、少し余裕を持たせたほうがいいのはこのためです。
FLUX.2 [klein] 4BのHugging Faceのページには、次の一文があります。
「The FLUX.2 [klein] 4B model fits in ~13GB VRAM and is accessible on NVIDIA RTX 3090/4070 and above.」(Hugging Face)
訳すと「FLUX.2 [klein] 4Bは約13GBのVRAMに収まり、NVIDIA RTX 3090 / 4070以上で使える」。ライセンスはApache 2.0です(Hugging Face)。
VRAMが少なくても動くことはある
ComfyUIのGitHubには、「4GBのVRAMと8GBのRAMでも、いちばん大きいオープンソースのモデルを比較的速く動かせる」とあります(ComfyUI GitHub)。足りない分をメインメモリに逃がす仕組みがあるからです。
ただ、これは「動く」という意味です。待ち時間は長くなります。毎日何十枚も作るなら、VRAMはモデルの公式の数字より多めにしておきましょう。
対応しているGPUの種類
ComfyUIの公式の動作環境ページに載っているGPUの種類は8つです(NVIDIA、AMD(Linux)、AMD(Windows)、Intel Arc、Apple Silicon、Ascend NPU、Cambricon MLU、Iluvatar Corex)。GPUが無くても--cpuで動かせます(ComfyUI 動作環境・2026-10-19にこのサイトで数えた)。
とはいえ、手順の解説や配布されているモデルの多くはNVIDIAのGPUを前提にしています。AMDやIntelは安く買えることもありますが、つまずいたときに解決方法を見つけにくいのが難点です。
GPUの価格の目安(2026年10月)
VRAM 16GBのNVIDIAのGPUで、いちばん手が届きやすいのはGeForce RTX 5060 Ti 16GBです。ただ、2026年はメモリ不足で値段が上がっています。
| GPU | VRAM | 国内の価格 | 時点・出典 |
|---|---|---|---|
| RTX 5060 Ti 16GB | 16GB | 実売8万1,980円前後から | 2025年4月の発売時(PC Watch) |
| RTX 5060 Ti 16GB | 16GB | 12万9,800円 | (アラおじ) |
| Radeon RX 9060 XT 16GB | 16GB | 8万3,980円 | (アラおじ) |
| Radeon RX 9070 XT 16GB | 16GB | 13万4,700円 | (アラおじ) |
(価格は2026年10月時点・店や日によって変わります。最新は販売店で確認してください)
同じRTX 5060 Ti 16GBでも、発売時とくらべて4万円以上高くなりました。8GB版はもっと安く売られています。それでも上のVRAMの表を見ると、8GBで余裕を持って動くのは古いモデルまで。あとからGPUを買い直すより、最初に16GBを選んだほうが結果的に安く済むことが多いでしょう。
クラウドと比べると何か月分?
たとえば、RTX 5060 Ti 16GBの12万9,800円を、Comfy Cloud Standardの月$20と比べてみます。1ドル150円で計算すると月3,000円なので、約43か月分です(為替は仮の数字です)。
判断の目安は次の2つです。
- 3年以上、ほぼ毎日使うつもり → ローカルのほうが割安になりやすい
- 週に数回・月に数十枚ほど → クラウドのほうが割安で手間も少ない
GPUを積んだPCを持っていない人は、GPUのほかに電源やケースの費用もかかることを入れて考えてください。
ComfyUI Desktopを入れる手順(Windows)
Windowsで一番手間が少ないのは、ComfyUI Desktop(公式のインストーラー版)です。公式の動作環境は、Windows 10以降で、空き容量は1回のインストールにつき4.85GB以上がおすすめとされています(Comfy Desktop for Windows)。モデルのファイルは別に何GBもあるので、SSDを数十GB空けておきましょう。
- 公式サイト(comfy.org)からWindows用のインストーラー(.exe)をダウンロードして実行し、表示に沿って進めます。
- スタートメニューかデスクトップのショートカットから「Comfy Desktop」を起動します。
- 「How do you want to run Comfy?」と出たら、「Local」を選びます(「Cloud」はComfy CloudのGPUで動かす方です)。
- 「I agree to the EULA and Terms of Service」にチェックを入れます。ここだけは必須です。利用データの送信とベータ機能のチェックは、入れなくても進めます。
- 迷ったら「Express Install with recommended settings」にチェックを入れます。おすすめの設定で入ります。
- 「Continue」を押します。「Preparing your install…」と出たら、終わるまで待ちましょう。
初回起動の画面の流れはComfy Desktop 概要にまとまっています。入ったら、最初はテンプレートのワークフローで1枚作ってみてください。プロンプトの組み立て方は画像生成AIプロンプトの書き方、順番で決まるで順番に書いています。
つまずきやすい所と直し方
どちらのカードも選ばれていない:GPUの性能が足りないと判断されると、「Local」と「Cloud」のどちらも最初から選ばれていない状態になります。画面に出ている認識されたハードウェアを見て、GPUの名前が正しいか確かめましょう。「Cloud」に「Recommended for your hardware」と出ていたら、そのPCではクラウドのほうが向いている、という意味です(Comfy Desktop 概要)。
起動しない・途中で止まる:ログの%APPDATA%\Comfy Desktop\logsの中のapp.logを開いて、最後のほうのエラーの文をそのまま検索します(Comfy Desktop for Windows)。
入れたモデルがどこにあるか分からない:モデルは%LOCALAPPDATA%\Comfy-Desktop\ComfyUI-Shared(古い版では%USERPROFILE%\ComfyUI-Shared)にまとめて置かれます(Comfy Desktop for Windows)。
AUTOMATIC1111でPythonのエラーが出る:AUTOMATIC1111はPython 3.10.6を指定していて、「新しいバージョンのPythonはtorchに対応していない」と書かれています(AUTOMATIC1111 GitHub)。ComfyUIを手作業で入れる場合は、反対にPython 3.13がおすすめです(ComfyUI 動作環境)。ツールによって合うPythonが違う、と覚えておけば、エラーの原因に早く気づけます。
画面の表示が崩れる:ComfyUIはGoogle Chromeの143以降をすすめています(ComfyUI 動作環境)。
次にやること
自分でやる人の今日の一歩
- 自分のPCのGPUの名前とVRAMを確かめます。Windowsなら、タスクマネージャーの「パフォーマンス」タブの「GPU」で見られます。
- VRAMが8GB以上あれば、上の手順でComfy Desktopを入れて、テンプレートで1枚作ってみましょう。
自分でやるのが大変・早く確実にしたい人
公式のクラウド版、Comfy Cloudがあります。料金ページに載っている有料プランは4つ(Standard・Creator・Pro・Team)で、ほかに無料枠もあります(Comfy Cloud 料金・2026-10-19にこのサイトで数えた)。どのプランもRTX 6000 Pro(96GB)を使います。
| プラン | 月額(月払い) | 向いている人 |
|---|---|---|
| 無料枠 | 0円(本物のGPUで5回) | 買う前に1回見てみたい人 |
| Standard | $20 | 用意されたモデルで十分な人 |
| Creator | $35 | CivitAIやHugging Faceのモデル・LoRAを使いたい人 |
| Pro | $100 | 1回の処理が30分を超える人 |
(2026年10月時点・最新は公式で確認)
向いているのは、GPUを持っていない人や、導入やエラーの対応に時間をかけたくない人です。反対に、毎日たくさん作る人や、作った画像や下絵を外に出したくない人には向きません。注意点として、Standardでは自分のモデルを取り込めません。1回の処理も30分までです(Comfy Cloud 料金)。
このサイトの関連記事
- 画像生成AI商用利用おすすめ、無料枠で比べる:ローカルを入れる前に、無料のサービスで足りるかを比べたい人に
- 画像生成AIプロンプト、髪型を指定する書き方:イラストの細かい指定をしたい人に
よくある質問
GPUが無いノートPCでも画像生成AIをローカルで動かせますか?
動かせます。ComfyUIは--cpuで、GPUが無くても動きます(ComfyUI 動作環境)。ただ1枚に時間がかかるので、普段使うならクラウドの無料枠から試すほうが現実的です。
VRAM 8GBのGPUではもう足りませんか?
SD1.5やSDXLなら、8GBでも十分に使えます。SD3.5 Mediumは公式で9.9GB(テキストエンコーダーを除く)なので、8GBでは設定の工夫が必要です(Stability AI)。新しいモデルを中心に使うなら、16GBが目安です。
Macでもローカルで動きますか?
M1以降のApple Silicon Macなら、ComfyUIが公式に対応しています(ComfyUI 動作環境)。ただ、解説記事や配布されているモデルはNVIDIAのGPU向けが多く、設定を自分で調べる場面が増えます。
ローカルで作った画像は商用利用できますか?
使ったモデルのライセンスで決まります。Stable Diffusion 3.5は年間売上100万ドル未満なら無料で商用利用でき(Stability AI)、FLUX.2 [klein] 4BはApache 2.0です(Hugging Face)。確認のしかたは規約のどこを確認するかにまとめています。
出典
- System Requirements - ComfyUI
- Comfy Desktop for Windows - ComfyUI
- Comfy Desktop Overview - ComfyUI
- ComfyUI GitHub
- Pricing - Comfy Cloud
- Introducing Stable Diffusion 3.5 - Stability AI
- Stability AI Community License
- FLUX.2-klein-4B - Hugging Face
- NVIDIA RTX AI Accelerates FLUX.1 Kontext - NVIDIA Blog
- AUTOMATIC1111 stable-diffusion-webui - GitHub
- GeForce RTX 5060 Ti搭載カードが各社より発売 - PC Watch
- 2026年10月のGPU・PCパーツ価格 - アラおじのゲーム・ガジェット備忘録
内容の誤りや古くなった情報に気づいたら、shigoto.ai.note@gmail.com までお知らせください。記事は順番に公式の情報で確かめ直しています。